書評:石田衣良「1ポンドの悲しみ」

文庫化されたばかりの石田衣良「1ポンドの悲しみ」を読みました.30代の恋愛をテーマにした短篇集.2年前に単行本を読んで以来です.単行本を売って手放してしまったので,再読.

2年前の2005年8月28日にmixiでレビューを書きましたので,それを引用します.

恋愛短編集.「スローグッドバイ」が20代を描いたのに対して,今作は30代前半から半ばの恋愛を描いた少しオトナの作品と言えるでしょうか.

ただ(かろうじて)20代の私は,「スローグッドバイ」ほど共感できなかったかな,と.正直に言って,5年後に自分がどんな恋愛やセックスをしているかあまり想像がつきません.

という意味では,この本を読むにはまだ早かったのかもしれません.5年後に読んだらまた違う感想を持つでしょう.

ウエディング・プランナーの恋愛を描いた「誰かのウエディング」は秀作.

2年経つとちょっとは観方が変わりますね…30歳を過ぎた私は,この恋愛小説の痛みや何やらが分かるようになってきました.

思うに20代と30代の恋愛観の違いは何かと考えてみたら,責任感と経験だと思うのです.責任感というのは,まぁ金銭面もそうだし,何かあったら結婚しないとイケナイという話.妊娠もそうだし,まぁいい歳の女性となると結婚をチラつかせるものだし(笑)

もうひとつは経験…やっぱり何かを決断するときには経験が邪魔をしますよね.良くも悪くも経験を積んでいますから.そんな経験の邪魔を乗り越えるのは勢いだったり.

その意味で「誰かのウエディング」とか「スターティング・オーヴァー」とかは秀逸.あー30代になると「誰かを幸せにしたい」という気持ちが強くなりますよね.それも大きな違いかなぁ.