書評:東野圭吾『探偵ガリレオ』

出張の合間につい買っちゃった『探偵ガリレオ』,読了.

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探偵ガリレオ (文春文庫)

面白い.『ガリレオの苦悩』でも書きましたが,このシリーズは短篇こそ本懐で,長篇の方がむしろ異色なのでしょうね.

突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年...警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。

最近の作品から読んだ身としては,湯川が普通に「探偵」しているのが意外でした.草薙に対しても割と協力的.ドラマが特にそうですが,偏屈ぶりが強調されていますからね.

容疑者Xの献身』『聖女の救済』といった長篇では人間ドラマの色が濃いですが,本書はれっきとした理系ミステリー.発表時期(1995年,単行本化1998年)もあってか,『超・殺人事件−推理作家の苦悩』や『名探偵の掟』のような過去の作品に通ずるものを感じました.意外とブラックな雰囲気もあります.


なお『容疑者Xの献身』のエントリーでkeinaさんからコメント頂いたように,湯川のモデルは佐野史郎だそうで,佐野さん自身が本書の解説を書いています.しかし,既に福山雅治の声で脳内再生されてしまう...フジテレビのマーケティングに見事はまってしまったかもしれません.