書評:石田衣良『逝年―Call boy〈2〉』

昨年4月の石田衣良「娼年」の続篇・「逝年」という以来気になっていた『逝年―Call boy〈2〉』を読みました.

»逝年―Call boy〈2〉
逝年―Call boy〈2〉

Amazonよりあらすじ.

リョウ、二十歳の夏。恋愛にも、大学生活にも退屈した日々を送るなか、ボーイズクラブのオーナー・御堂静香に見出され、とまどいながらも「娼夫」の仕事を始める。やがて、リョウは女性たちのなかにひそむ、さまざまな欲望の不思議に魅せられていく…。性愛の深淵を透明感あふれる筆致で描く長編小説。

これは前作のあらすじですね…本書では,前作より1年後,御堂静香に代わってクラブの実質的なオーナーとして心身の成長を見せるリョウの姿が描かれています.そして,静香との最期の日々も.

本書のテーマはもちろんセックスですが,その他にも性同一視障害(GID),HIVなど.中でも男娼を主人公に据えているだけあって,セックスの描写が巧みです.特に女性の洞察が.

ぼくはコークボトルのような腰に指を添わせた.脂肪の硬さは,女性によってまちまちなのだが,あゆみさんは室温のバターのようにやわらかかった.指が沈みそうだ.うしろから手をまわして,重さを増した乳房を支える.
娼夫の仕事を始めてぼくは気づいた.三十代なかばをすぎて美しい人は,美しさに自分なりの敬意を払って努力を続けてきた人なのだ.さらに上昇していく人と,急降下する人,三十代は多くの女性の分岐点である.

世の女性にお叱りを受けそうな考察ですね.女性(特に大人)の美しさを的確にとらえていると思います.大人の女性(たとえば30代以上)の素晴らしさが分かるには,男も大人にならないといけませんね.30させ頃40し頃というし.

大人の女性の魅力を再確認したい貴兄貴姉におすすめです.


ところで,主人公・リョウが同じ大学生を見て,そして過去の自分を顧みて,このように思うシーンがあります.

だが,反面で同級生たちの多くには冷めた部分もあった.恋愛や性について,ひどく老成しているのだ.男子だけの会では,女性やセックスの話題もでたのだけれど,そのたびに彼らの体温の低さに驚くことになった.二十歳をすぎたばかりで,男子学生は口をそろえる.

「セックスなんて,誰としても同じ」
あるいは,
「もうセックスに飽きてしまった」

とんでもない.私は30歳を過ぎた今でも,毎回新しい発見があります(爆笑).

前作もそうなのですが,セックスに飽きたという人や,セックスレスの人が読むといいのではないかなーと思いました.若干セックスを神聖化しすぎているきらいはあるけれど.


▼『逝年―Call boy〈2〉』についての他の方の感想
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!:逝年 石田衣良- 本と読書のブログ 書評・読書感想文
「逝年」 石田衣良 - Dulceといっしょ
稲庭うどん日記:逝年/石田衣良 - livedoor Blog(ブログ)

2009年01月03日 12:10 | URL | コメント (0) | トラックバック (0) | 書評・読書

このカテゴリの最近のエントリー

コメント

コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mixvox.org/mt-tb-antispam.cgi/2258

JUNGLE DANCE(DVD付)
[当blogによる言及]

W-B-X~W Boiled Extreme~
[当blogによる言及]

お金の流れを呼び寄せる 頭のいいお金の使い方
[当blogによる言及]

食べて痩せる100のコツ
[当blogによる言及]

鋼の錬金術師 24 (ガンガンコミックス)
[当blogによる言及]

百姓貴族 (WINGS COMICS)
[当blogによる言及]

タパス―みんなでつまむスペインの喜び
[当blogによる言及]

著者近影

京都の中心で変をさけぶ小ネタブロガー(→もっと見る).twitterもやってます.

m.jpg

feed フィードを取得

スカウター : mixvox (Love is what we need.)

このサイトについて [71]
エンタメ [432]
コミック [24]
スポーツ [176]
タバタク・コラム [455]
ネタ写真 [7]
ネット界隈 [164]
マネー [2]
モバイル [24]
レシピ [135]
仮面ライダー [90]
健康・美容・ダイエット [9]
地域(京都) [142]
地域(旅行・出張) [118]
地域(関西) [45]
書評・読書 [271]
生活向上技 [31]
男と女 [268]
社会・ビジネス [123]
製品レビュー [64]
»全記事を見る

mixvox ※当blog

ハヤトコバヤ師

kyoto*kyoto(京都いい店はまる店)

あわせて読みたい