書評:木島亜里沙『ご指名!古都のバスガイド』

奈良交通に木島亜里沙さんというバスガイドさんがいます.美人バスガイドとして,通常の4倍の年40件以上の指名を受けるやり手(指名できるんだ),そして何より「おもろい」と新聞や雑誌でも紹介される25歳(昨年読んだときなので今は26歳かも).コンサルタントとしてコミュニケーション力の参考になるかと思って,著書を読んでみました.

»ご指名!古都のバスガイド
ご指名!古都のバスガイド

目次は以下.

第1章 仕送りできる仕事を
第2章 バスガイドの一日
第3章 バスガイド寮での暮らし
第4章 涙、涙の教習時代
第5章 自分らしさって?
第6章 面白く行こう!
第7章 奈良めぐり
第8章 お客様との出会い

とりあえず,バスガイドの仕事が恐ろしくハードであることを知りました.奈良や京都は国宝の山だからな...奈良・京都だけで500ページを超えるテキストを暗記が求められ,かつそれをお客さんの要望に応じて出し入れが求められる.そして3年間の教習期間を得て,ようやく一人前.タフだな...

そんなハードな仕事のバスガイドの中でも,著者がウケ続ける秘訣とは?実にシンプルです.気になったところを引用してみます.できないときのこと.

「できないから」と立ち止まるのではなく,新しいことにも挑戦する.失敗して恥ずかしいと思ったら同じ失敗は繰り返さないようにする.仕事を覚えるまでは,その積み重ねだったように思います.

運転手さんからのアドバイス.

「でも,私のカラーってなんやろう」
「それは自分で見つけるしかない.おまえがどうしたいか考えれば,自然とカラーが出てくる」

バスガイドとしての心がけ.

私はお客様全員に楽しんでいただけるように,みなさんの顔を覚えることを心がけています.コツは一人ひとりに声をかけること.
たとえば修学旅行生であれば,

「奈良にはこんなお土産があるよ」
「明日,班別行動で京都に行くなら,あそこに行ったら?」

みんなが知りたい情報を教えながらいろんな話をします.


・失敗を積み重ねること
・一人一人の顧客を大事にすること
・顧客が求めるものを提供すること

実にシンプル.

コンサルタントという仕事は,バスガイドに通ずるものがあるかもしれません.前提として膨大な知識が要求され,ニーズを感じ取り,相手によって距離感や伝え方を変える.相手の知りたいことを伝えるのが大事なんですよね.もっとも,自分の知ってることや自社のノウハウを押し付けるコンサルタントも多いですが(だからコンサルタントは胡散臭がられる).


自分より7つかそこら年下の若い女性に,客商売の初心を教わりました.感謝.

本書は「私」を主語とする平易な文章で,仕事中の写真も多数含まれ,軽く読めます.若干アイドルのエッセイっぽい印象も受けますが,著者は実にいい顔で仕事しているんだよなー.

そういえば,知り合いに元バスガイドの女性がいます.この本をもとに,ちょいとインタビューしてみたいですね.


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書籍紹介 「ご指名!古都のバスガイド / 木島亜里沙」 - 読書I/O日記
[alm-ore] 『ご指名!古都のバスガイド』 木島亜里沙