書評:別冊宝島『僕たちの好きな東野圭吾』

東野圭吾に関するムック『僕たちの好きな東野圭吾』,読了.

僕たちの好きな東野圭吾 (別冊宝島 1609 カルチャー&スポーツ)
僕たちの好きな東野圭吾 (別冊宝島 1609 カルチャー&スポーツ)

巻頭の大沢在昌のインタビューがいい.東野圭吾が,高校生になるまで小説をまったく読まない人であったことについて,同業者としての分析.

それは作家としてすごく珍しい.けれど逆に言えば,本嫌いの人がどうして小説を読まないのかがよく分かる.で,そういう人がどうしたら小説を面白いと感じてくれるのか,すごく考えるわけ.どうしたら,彼らの心を掴めるか,ということね.

東野圭吾が本格ミステリーか否かという論争がありますが,それも東野圭吾がこれまでのミステリー好き以外にも読まれるから,なのでしょうね.何しろ,私からしてミステリー嫌いだったけど東野圭吾だけは読む,という読者ですから.

結果的に東野圭吾は,小説嫌い・ミステリー嫌いを開拓するブルーオーシャン戦略を実現したことになります.何しろ昨年は単行本・文庫本とも売上No.1.大沢在昌をして「松本清張の頃でもこうはいかなかった」と言わしめています.


当代きっての人気作家のアンソロジーである本書.『ガリレオ』『白夜行』『秘密』といった映像化作品に軸足が置かれている気もしますが,主な作品の解説と分析が楽しめます.『たぶん最後の御挨拶』所収の本人による全作品解説と合わせて読みたいところ.

東野圭吾の著書の佳作とされる中で,『秘密』『変身』といったところはまだ読んでいないのですが,本書で読みたくなりました.


たぶん最後の御挨拶
たぶん最後の御挨拶


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