DVD評:『どろろ』

いつか観るリストに入れていた『どろろ』を観ました.

どろろ(通常版) [DVD]
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例によってAmazonのレビューが散々ですけれど,意外と面白かったに1票.私は『どろろ』は手塚治虫作品のベスト3に入ると思っていますが,そんなに違和感なかった.

マンガ原作の映画化にあたっては,必ず原作ファンからの非難の声が殺到します.原作を再現していない,作者の心情を理解していない,キャストが合わない云々.

私もマンガ大好きなのでそういった気持ちはよく分かりますが,そろそろ映像化を許すべき時期ではないかなーと思いました.よっぽどひどい作品ならともかく(要は程度の問題).

映画版『どろろ』では原作の戦国時代から架空の異世界に設定を変更し,主人公・どろろは少女から柴咲コウ演じる大人へと変わりました.ここまで来ると「原作」というより「原案」であり,原作の忠実な再現を狙うものではない気がします.柴咲コウのキャストにも批判がありますが,マーケティング上やむを得ない設定であり,そこまで叩くのもどうかと.

むしろ,変更した部分を評価したいと思います.たとえば結末,百鬼丸の家族関係は原作とは生死を含めて若干異なります.変更の分,手塚先生らしい業の深さが逆に強調されてよかったのではないかと思います.


確かに破滅的な世界,特撮,凝った映像といった大コケの予感が劇中漂いますが(『デビルマン』や『CASSHERN』同様),そこまで悪くはないかなーと.実際,興行収入34億円と『デビルマン』の5億や『CASSHERN』の13億と比べると出色だし,マーケティング的にも成功しています.

観ている方にも寛容さ,または鈍感力が問われる時代なのかもしれないと思わされた作品です.途中のフラメンコギターらしき演出にはびっくりしたけど.


どろろ Complete BOX [DVD]
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