書評:ひろゆき(西村博之)『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』

元2ちゃんねる管理人・ひろゆき『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』,読了.著書というより語ったのを構成してもらった本,というのが正解のようですが.

僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)
僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)

本書のタイトルの理由は「日本でやるべきでないから」とあっさりと第1章で語り,残り(というよろ本書の大部分)は彼が語るメディア論,日本論です.本人が認める通りタイトルと内容が一致していない感じ.

面白そうな主張をいくつか引用してみます.

例えば日産自動車は,「主力を小型車にして自動車の製造は中国で行う」というようなことを言っていますし,あのユニクロも製造部門を中国に置いたりしていて,日本国内で雇用を作ることをあまり意識していません.逆にキヤノンやトヨタなどは,国内の雇用を守ろうと,国から補助金をもらって国内に工場を作ってみたものの,結果的には大量解雇することになり,めちゃくちゃ叩かれているわけですね.
何というか日本という国は,同じ土壌やエリアのなかにいると,外から客観的に見て明らかにおかしな状況が起こっているのに,客観的に「おかしい」と言えなくなる空気になりやすいのですね.そういったことを考えると,日本に基板を置いている限り結局,客観的な基準でモノを言えなくなる可能性がある.それは,ちょっと嫌だなか…,とか感じてしまったわけです.
EMAのような団体はほかにもあるのですが,このような団体は,被害を出す可能性がある企業が,そんな危ないことをやっているとは思われないために参加している団体であって,本当に被害をゼロにしようと思って作られた団体ではない,という何ともキナくさい感じがどうしてもしてしまうのです.
テレビ局は,国から電波という限られた資源を「あなたたちだけしか使っちゃいけませんよ」という条件をつけて与えられているだけでなく,その電波を受信する機械,つまりテレビが日本中に1億台以上もあるなど,儲けるためのお膳立てが整っているのです.(中略)それでもうまく経営できていない.下手をすれば赤字になってしまうというのは,どう考えても経営陣が無能なだけなのです.

個人的にはEMAなどのフィルタリングに対する姿勢が私と同じなので,当該箇所には共感しながら読みました.

俯瞰的な視点あり,前提を疑う発想あり,この人は頭がいいし論客ですよね.発想の柔軟性や引き出しの多さで,勝間和代ごときが議論できるレベルではないと思います.

ネットビジネスのど真ん中にいるひろゆきの冷静な主張,これまで彼に触れてこなかった人には新鮮で面白いと思います.メディア論のご参考にオススメします.


しかし,わずか1年前の本ではありますが,結構状況は変わっているんですよね.ビジネス書はリアルタイムに読んでアウトプットしないといけませんねー.

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2010年05月21日 21:21 | URL | トラックバック (0) | 【更新終了】書評・読書

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