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池波正太郎先生の『剣客商売』にたびたび登場する根深汁を九条ねぎで作ってみました。以前も作ったことはありますが、池波先生が油、特に鶏皮を入れたものを好まれたというこどでリスペクト料理です!

材料は九条ねぎ4本、鶏皮をもも肉1枚分ほど。

鍋に湯を沸かし、刻んだ鶏皮を入れます。あと、少しの鰹&昆布だし。

刻んだねぎを入れ、味噌を合わせておしまい。

まるで豚汁のように濃厚な味わいとなります!なお、もも肉1枚分の鶏皮は、二人前には少し多かった模様。

池波正太郎の江戸料理を食べる
野崎洋光、重金敦之
朝日新聞出版 (2012-03-16)
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影響を受けて書いてみた。ついカッとなって原作も見ずに書いた。後悔はしていない。


鬼ヶ島の裏手で、物凄い音響がした。
赤鬼も、棍棒をつかんで起きてきた青鬼たちも、途端に、
「何事だ!」
とはね起きたほどである。
鬼ヶ島の裏表から打ちこんだのは、桃太郎ほか犬、猿、雉の合わせて四名。
青鬼どもを相手に烈しく闘う犬、猿、雉の中を、駆けぬけた桃太郎が奥の間に躍りこみ、
「鬼ヶ島の赤鬼、神妙にせよ。おとなしく御縄につくがよい。それとも、無辜の人々から奪った財宝を差し出すか!」
「おのれ!」
赤鬼は猛然と棍棒を打ちこんできた。
「む...」
ななめに身をひらいてかわした桃太郎の編笠が、ばさっと音を立てて切り飛ばされた。
意外に、するどい刃風である。たいていの者であれば、ひとたまりもなかったであろう。
だが、桃太郎は編笠をぬぎ捨て、粟田口国綱を抜きはなち、すらりと平正眼にかまえた。
「うぬ!!」
身を沈めざま赤鬼が、すくいあげるように桃太郎の胴をなぎはらってきた。
「鋭!!」
身をひねって、これをかわした桃太郎の正眼から疾り出た粟田口国綱二尺二寸九分の大刀が、そやつの肩口からくびすじを切り裂いた。
「むう...ん...」
ばさっと音がして、赤鬼のその体が倒れた。
桃太郎は大刀にぬぐいをかけ、鞘におさめた。
庭には秋の冷たい雨が降っている。


以下、反省点。

  • 密偵(いぬ)の犬が鬼ヶ島を探り当て、桃太郎の役宅にて報告。桃太郎に労をねぎらわれ、涙するシーンを構想したけどめんどくさくなった(例:犬の両眼にみるみる熱いものが吹き出てきた)。犬だけに密偵(=狗=いぬ)なんだけど。
  • 鬼の配下である雉がいろいろあって桃太郎の密偵になる序章を書こうと思ったけど、たぶんそれだけで一章になりそうなのでやめた。
  • 池波正太郎先生の文章は読みやすいけど、傍点がないといまいちらしくないかもしれません。
  • 改行も<p>によって1行飛んでしまうと、同様にらしくない。
  • よって、池波先生の文章は意外とWebに向いていないのだろうか。
  • 敬愛する池波先生のパスティーシュ(文体模写)がこんな適当な感じで終わったことに心からお詫びします。もう少し面白く書きたかった...
鬼平犯科帳〈1〉 (文春文庫)
池波 正太郎
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池波正太郎先生の作品は大好き.その中でも名作『剣客商売』1巻の冒頭・第1章「女武芸者」にこんな記述があります.

大治郎が,ようやく家へ入った.

根深汁で飯を食べはじめた彼の両眼は童児のごとく無邪気なものであって,ふとやかな鼻はたのしげに汁のにおいを嗅ぎ,厚い唇はたきあがったばかりの麦飯をうけいれることに専念しきっているかのようだ,

普段米をほとんど食べないけど美味しそう...ということで作りました.根深汁!

nebukajiru.jpg

レシピ:根深汁

1. 昆布で出汁をとる.

2. 2センチ幅くらいのぶつ切りの長ネギを入れる.

3. 沸騰したら火を止めて,合わせ味噌を溶き入れる.

4. お好みでごま油をたらす.


葱だけのシンプルな味噌汁ですが,これは美味い.大治郎のようにご飯が進む味です.

シンプルな味噌汁ですが派生はいろいろ.池波正太郎先生の作品中では,『藤枝梅安』でごま油をたらしましたが,池波先生ご自身は鶏皮の脂がお好きだったとか...とにかく脂を入れるとグッとコクが出ます.時間が経って温めなおして,葱がくたっとしたのもいい感じ.冬場ならもっと美味しいでしょう.

「食通」とは呼ばれなくていい.「勉強してる」も京都では勘弁.変に通ぶったりする気はないけれど,「粋」「いなせ」と呼ばれる金銭の遣い方はしたいなーと常々思っています.

そんな私の粋の師匠.リアル師匠は愛知県に師事した方がいますが,心の師匠は作家・池波正太郎先生.池波先生の食事や酒,衣服や文具へのこだわり,目下の者への優しさなどはびっくりするほど恰好いい.格好ではなく恰好と表現したくなる人生の達人.ということで,池波先生が1977年に書かれた『散歩のとき何か食べたくなって』.下鴨納涼古本まつりのときに初版を手に入れたものです.

»散歩のとき何か食べたくなって (1977年)